雑誌広告2024_05
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個人向け校閲のスキルを学ぶため様々な職種の人が参加講師がゲラの文字を、1文字ずつ追って潰し、鉛筆と赤字を入れる様子を真上からのアングルで見せる。また、なぜそこに鉛筆や赤字を入れるのか、同時に補足説明もする約150人の校閲者が、年間約3300冊もの書籍や雑誌をチェックする講談社校閲部。今年創部100年を迎えるにあたり、その記念プロジェクトとして『校閲ドリル』(非売品)を制作している。 「弊社は総合出版社ですので、分野は文芸誌、文芸書籍、週刊誌、学芸・学術書籍、女性誌、実用書籍、コミック、幼児誌、児童書籍と多岐にわたります。校閲部に配属された新入社員は1年間マンツーマンで基礎を学んだ後、さらに10年近く複数の先輩社員のもとで、様々な分野の校閲技術を身につけます。全108問の『校閲ドリル』は、そのすべてのジャ2 0名。2時間で2部構成とし、1部では校閲作業手順などの講義のほか、事前配付した『校閲ドリル』から出題した問題の答え合わせと解説、2部では現役校閲者と編集者による座談会で、失敗談やヒヤリハットなどを語った。 「参加者は校閲部門のない出版社の編集者やライター、フリーの校閲者など同業者を見込んでいました。ですが、それ以外にも企業の広報やマーケティング担当者、教師、情報システム担当者、動画編集者など様々な業種や職種の方が多くいらっしゃいました」(大橋氏)回目のセミナーを前回同様ウェビナーで実施。校閲技術をもっと学びたいリピーターも多く参加したほか、新規で全2回をセット受講した人も多かった。 「校閲の実務を一般の方に伝わるように工夫しました。例えば、調べ物のコツ3か条や間違えやすいポイントの事例紹介などです。また、校閲作業の様子を見る機会は編集者でもほとんどあり引き続き、同年11月に2ませんが、カメラ位置を工夫し、校閲者がどのような文字の見方をしているか、その様子を見せました。 私たちが気をつけているいくつかのポイントを押さえるだけでも間違いを減らし、文章をブラッシュアップできます。実際、広報誌や学校の資料を作る上で役立てたいという声も寄せられています」(大橋氏) セミナー後のアンケートでは、1回目は91%、2回目は96%が満足という結果ンルを網羅した校閲者用の教材です。ただ、校閲技術は一般の方にも有用なもの。そこで、このドリルを使った一般向けの『校閲力養成セミナー』を企画するにいたりました」 と、校閲第二部部長の大橋日登美氏。過去に同部が出版した校閲の実例集から、一部を抜粋して自社WEBメディアに掲載したところ、大きな反響があった。また、自社の公式Xでも校閲ネタの投稿は人気だ。そうした経験から、一般の人も校閲のスキルに興味があるのではないかと感じていたという。 セミナーの1回目は行われた。参加者は266ビジネスを取り巻く環境や働き方の変化に伴い、注目されているリスキリング。昨年6月から経済産業省の支援事業がスタートするなど、国を挙げて強化し始めた。そんな中、出版社の強みを生かした学びのコンテンツが盛況を呈している。新しいビジネスとしての可能性などについて、個人または企業向けに取り組む4社に話を聞いた。CASE①講談社講談社編集総務局校閲第二部部長文/中木 純大橋日登美氏   3 2 3年4月、ウェビナーで■校閲力養成セミナー■変化の時代に求められるリスキリング出版社の注目される学びのコンテンツ

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