ラスから『BRUTUS』のトーンアンドマナーを学んでいただきました。そのプロデューサーと特集を担当する編集者がタッグを組み、特集に合わせて、外部の監督、カメラマン、ライター等を集める、雑誌のつくり方を踏襲しています」2023年5月から2 02 4年12月まで、約100本の動画を制作、配信したところ、YouTubeのチャンネル登録者数は16倍、インスタグラムのフォロワー数が約1・3倍に増加。かつ、約80%がフォロワー以外の視聴者であり、外部の新たな人に届いていることが明らかになったという。さらに広告売り上げは、2 0 0 7年以来最高額達成という目覚ましい成果をあげた。今後は、他雑誌にも敷ふ衍えんするため、全社対象に動画の重要性を説くセミナーを開催。定期的な部署の横断会議などで、成功事例の紹介なども行っているという。 「視聴傾向から、どんな動画であれ、『BRUTUS』というロゴがあると離脱が遅れ、完読率があがることも判明しました。それは、ロゴによる安心感の裏付けでもあり、ロゴの強みであることの実証でもあります。また、実際にやってみると、デジタルツールは少人数でもできることもわかりました。ほかでできないものを少人数でつくるための戦略は必ずあるし、今の時代、少しずつでも1秒でも早く始めることが大事です。 雑誌は、ともすれば動画を敵対視する傾向があります。けれど、今や雑誌にとって動画は敵ではなく利用する相手。SNSもWebも全部のっかって、最終的に雑誌でやれていたことを、最初は小さくでも届け、だんだん大きくしていけばいい。魅力あるメディアには人が集まるので、まずは自分たちが魅力的な場所を作ること。その当たり前を見直して、とにかくやる! ことが大事なのではないでしょうか」2 4年7月から配信された第2弾には、『BRUTUS』『NEWS ポストセブン』『東京カレンダー』、さらに第3弾では『BRUTUS』『東京カレンダー』に加え『クロワッサン』がエントリー。オリジナル動画が続々配信されている。 第1弾から参画しているのが、前項で登場した『BR UTUS』だ。担当した長勲さんは「KDDIさんからは、『特定の商品の宣伝ではないので、雑誌の世界観を大切にしたオリジナルコンテンツを自由につくってほしい』と依頼をいただきました。我々にとっては、まさに渡りに船で、多様な業界の方々にご登場いただくオリジナルコンテンツ『一問即答』シリーズなど、さまざまなチャレンジができる非常に有意義な場になっています。なかでも、『BRU TUS』の人気コンテンツである『居住空間学』は、動で、スマホで自分の好きなもの、楽しみたいものを見つけていただき、お客様のスマホライフ、ひいては人生も豊かになればと願い、スタートしました。ヒルミルという名前のごとく、配信は平日のお昼。お昼休みなどにスマホでサクッと見ていただけるよう、コンテンツ1本の時間は15分程度にしています。雑誌ごとにペルソナがはっきりしていて、セグメントやテーマが明確なところに魅力を感じて、本施策の実施を決めました。読者のみなさまのニーズを深く理解しているからこその企画力に期待しています。雑誌選択にあたっては、スマホ向けの動画制作をやりたいという意志があること、私たちの思いに共感して前向きに取り組んでいただけることを基準に、幅広い方に視聴していただける組み合わせを考えました」と話す。2024年4〜6月に配信された、ヒルミルマガジンの第1弾には、『VOCE』『ViVi』『BRUTUS』『ザテレビジョン』が参画。2 0けに動画化。テキストとビジュアルで楽しめる雑誌の世界観はそのままに、新たな価値体験を提供する「動く雑誌」と話題なのが、KDDIの「ヒルミルマガジン」だ。 KDDIマーケティング本部の鈴木祥絵さんは、スタートの 複数の雑誌のキラーコンテンツをスマホユーザー向経緯を「お客様に有意義なコンテンツを提供すること雑誌のキラーコンテンツを動画化「ヒルミルマガジン」(KDDI)* * *KDDIマーケティング本部鈴木祥絵氏4
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