です。介護の情報を発信する先は、介護が必要な方やその家族がほとんどです。しかし、今回のような企画では、今まで弊社の情報を届けることのなかった『nic ola』『ニコ☆プチ』ファンという、新たなターゲットに届けることができます。2つ目は、新たなターゲットに対し、近い年齢の子どもたちに情報を発信してもらうことです。大人がいうと硬く聞こえる言葉も、子どもたちが発することで抵抗感なく、より厚みをもって届けることができました」 動画を選んだ理由については「広告出稿側の一番の利点は、圧倒的な情報量の違いです。同じ情報を伝える場合でも、誌面での2ページと10分の動画では、圧倒的に動画のほうが情報量が多く、内容の厚みも違います。また、モデルさんたちの表情や空気感などは、誌面では伝えきれません。情報があふれる現在、いかに他の媒体よりも目につくかを考え、動画が適切だと考えました」 実際に企画を請け負った伝えることで、将来的に職業選択の1つに介護福祉士を入れてもらいたい。それには、小中学生がターゲットの『nicola』『ニコ☆プチ』での動画配信が有効ではと考えました」 同社としてもかつてない試みだけに、動画作成前は、小中学生のモデルたちの生きた声を届けるのには多少の不安があったという。しかし、祖父母と暮らすなど高齢者と普段から親しんでいるモデルもいて、和やかな雰囲気で撮影は進行。現場の楽しい雰囲気をそのまま動画にし配信。約15分という比較的長い動画にもかかわらず、通常の『nicola』のYouTube動画とそん色ない再生回数を稼ぎ出しているという。 「今回、『nicola』『ニコ☆プチ』さんとコラボレーションした狙いは、主に2つあります。1つは、小中学生という新たなターゲットに情報を届けるということ新潮社側の思いをビジネスプロデュース部の小島知夏さんは、次のように語る。 「新潮社は、子どもたちに直接伝えることができるメディアを持つのが強みです。弊社の『nicola』事業部には動画専属スタッフが在籍し、『ニコラTV』や編集タイアップ動画などを作成する専用スタジオもあります。雑誌と動画を結びつけることによって、より深い情報を伝えたいと考えています。 もちろん雑誌が核になっていますが、今ではYouTu beをはじめSNSすべてを網羅しており、雑誌読者に加え、卒業した子たちも引き続き動画を見てくれています。今回は動画というメディアを活用して、小中学生読者やそれより幅広い世代に先入観なく介護福祉士の魅力を伝え、その延長線上にSOMPOケアさまのお仕事をお伝えできるようにと考えました。現場を楽しんで、自分の言葉で伝えられるモデルを選び、現場での生の声を生かすなど、自然に見せるための工夫を凝らしています」 実際の効果に関してSOMPOケアの甲斐さんは「最も顕著だったのが、社内からの反響です。弊社には多くの従業員が在籍しており、お子さんやお孫さんが読んでいる雑誌の動画になってうれしいという声や、実際に雑誌を読んでいた世代の従業員からの喜びの声もあり、仕事へのモチベーションアップにつながっています。今回の大きな目的は、介護職を子どもたちの憧れの職業にすることでしたが、その成果が見えてくるのは10年20年先のことだと思います。しかし、作成した動画が、従業員のモチベーションアップに寄与し、身近な効果が表れたことは意外でした」と語る。 動画メディアを通じて、将来のリクルーティングにつなげる。そのきっかけづくりと同時に、雑誌と動画が結びつくことによって、意外な効用も得られた一つの成功事例といえるだろう。SOMPOケア広報部チームリーダー甲斐愛梨氏新潮社ビジネスプロデュース部小島知夏氏活字もイイけど動画もね!!7
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