を50歳から65歳までに限定して振り切っています。プレシニア領域と呼ばれるこの層をウェブ媒体で取り込むことによりファネルを広げていきたいと思います。 また、通販だけでなくリアル店舗も現在は22店舗ですが、今後は35店舗程度まで増やしたいと思っています。この店舗は会員でなくても購入できますが、会員登録をおすすめしています。その方々には通販カタログを毎月送らせていただき、顧客化を進めています」(入山氏) 『ハルメク』においてもう一つ、注目すべき動きがある。ちょうど取材の直前に発表された「HALINE(ハルイン)」というサービスだ。どのようなものか? 「HALINEはシニア特化型のマーケティング支援サービスで、企業がLINEを活用してCRМを構築、運用するためのソリューションパッケージです。『ハルメのがミッションですが、有名観光地以外は何かをしなければ人が来ません。何かしらのマーケティングをしなければならない時に、平日に時間があり、しかも消費の額が大きい『ハルメク』の読者世代はターゲットになります。そこで、依頼を受けた場合、まずその自治体に住んでいる読者に自分たちの街の来てほしいところ、見てほしいところ、知ってほしいところを定量的にも定性的にも調査をかけて、それを『ハルメク』の誌面で紹介し、さらにオリジナルツアーを販売するところまでやっています」(八頭司氏) これだけ絶好調の『ハルメク』でも、紙媒体に対する危機感がある。 「紙だけのビジネスが成り立たなくなるのは、数年後には見えています。まして10年たてば時代は大きく変わるでしょう。その意味で、重要なのは『HALMEK up』というウェブ媒体です。『ハルメク』の中心読者が65歳以上であるのに対して、『H ALMEK up』はターゲットイアントとの付き合いも深くなり、直接取引も増えていく。現状、広告会社経由は半分あるかないかという。 今後、狙っていきたい業種についても聞いてみた。 「地方自治体です。具体的に言えば観光誘客ですね。自治体は関係人口を増やす会員向けのイベント・講座は年間約200本開催。そのほとんどが有料にもかかわらず、毎回多くの会員が参加。最近は高額なイベントにも参加希望者が殺到するというク』の読者世代でもスマートフォンの普及率は90%を超えており、さらにその中の9割の方が使用頻度の高い連絡ツールとしてLINEを使っています。そうなると、電話やメール、あるいはDМを紙で送るよりも、LINEを使った方がコスト面でも有利です。これまで、会員基盤を持っている通販会社さんなどは、会報誌を郵送していました。けれども、会報誌を送っていれば売上げが上がる時代ではなくなってきています。そうなると紙のコストに耐えきれなくなり薄くして部数を減らし……となりますが、これではジリ貧になってしまう。紙も読まなくなり、買ってももらえずロイヤリティが形成できなくなってしまいます。そうなった時に情報の接点があるのがLI NEです。 そこで、この会報誌制作を弊社で受けてリバイブし、そのコンテンツをデジタル上のオウンドメディアに併用させます。さらにLINEを顧客データベースなどと連携させることで、一人ひとりに合わせたコンテンツを配信できます。システム導入からUIUX設計、配信代行と最適化、効果検証までをトータルに支援するサービスです」(八頭司氏) ここまで紹介したように、『ハルメク』は物販や会員組織を活用したBtoBのソリューションサービスなど、読者と直接繋がることで雑誌をコアにしたビジネスを展開しており、近未来の雑誌ビジネスのモデルケースなのかもしれない。BtoBの新しいソリューションサービスにも注目物販は通信販売だけでなく、リアル店舗も増加中。この店舗も新たな会員の貴重な入口となっている5
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