雑誌広告2025_12
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かありますが、まだ詳しく話すことはできません。ただ、直接つながった有料会員のみなさんと、どう接点を持っていくかということは常に考えています。たとえばイベントですね。読者が所属している特定の業界のためのイベントやコミュニティを塊としてどう作っていくかということを真剣に考えています。ただ、これが書籍だと著者をベースにしたコミュニティを作りやすいのですが、企業・産業系のコンテンツにおいてコミュニティを実現していくというのは意外とハードルが高いのも事実です。とくにダイヤモンドが配信する記事は厳しいトーンのものも少なくないですから、そうなった時にはなおさら難しさが増します。その中でも実現できるイベントであったりコミュニティがどんなものなのかということを今、再定義しているところです。また、そこに真剣に関わろうとすると、かなりのマンパワーを割かなければいけなくなるので、編集部の負荷も相当重くなりをしてきた結果だと思います。広告については、表1が大きく変わってスタイリッシュになったので、より出稿しやすい媒体になったと思います。また、表4から始まるタイアップ企画も立ち上げました。市販の時代はバーコードが入っていたりして、なかなかそのようなことはできませんでしたが、クライアントの反応はいいですね。もちろん、ダイヤモンド・オンラインへの掲載も合わせて提案をしています」 『週刊ダイヤモンド』は完全にサブスクリプション化ます。そこの兼ね合いも見極めていきたいですね」(山口氏) 会員増についての今後の見通しを聞いた。 「まだ成長の伸びしろは全然あると思っていて、今のやり方をブラッシュアップしていくというのが一つ。もう一つは法人需要の開拓です。実は紙の定期購読は法人が多いのですが、デジタルサブスクリプションは圧倒的に個人が多い。ですから、法人こそ本当に伸びしろの塊だと思っていて、そこにしっかり注力していきます。あとは既存のサブスクリプションビジネスと、『まだ言えない』といった新しいサービスをどうリンクさせて伸ばしていくのか、主にこの三つで攻めていく形になりますね」(山口氏)  『週刊ダイヤモンド』のサブスクリプション化は、まずは順調なスタートダッシュを切った。返品がないわけだから、紙媒体としての収益構造も劇的に向上している。だが、一方で製造コストの上昇はサブスクリプション化しても変わらない。将来的に、紙媒体から撤退する可能性はあるのだろうか。 「可能性はゼロではありませんが、やはり紙媒体というのは、それを出し続けること自体がブランドになると思っているので、できる限り発行は続けていきたいと思っています。紙がなくなると、顔がなくなるんですよ。ですから、われわれはメディア局から週刊ダイヤモンド事業室を引き離して、紙を残すためにはどういうモデルだったら成立するかということを、幹部で集まって1年間ぐらいかけてコスト分析であるとか構造改革を進めてきました。その結論としてのサブスクリプションモデルなので、しっかりと維持していきたいなと思っています。ただ、週刊誌という発行形態については、現在も合併号を増やしたりすることで、どんどん少なくはなっています。これは業界全体の流れだろうと思います」(山口氏)完全サブスク化の先に見据える次の一手とはダイヤモンド社営業局局次長永田 誠氏昔から同誌の強みでもある、企業や各業界を深く取材したコンテンツは、会員読者に高く支持されているすることで、100%の読者とつながることができた。当然、次の段階として、新たなビジネスを考えていくことになる。 「もちろん、検討していることはいくつ7

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