雑誌広告_06
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teen』のように、成功してのYouTubeチャンネルは『VOGUE JAPAN』や『Pop JAPAN』のように、海外ここ数年で雑誌メディア増えました。しかし、そのほとんどは雑誌コンテンツの一部として運営されているように見え、「これが正解」と探し当てた媒体はまだないと思います。ここで紹介されているいるチャンネルには共通点があります。それは「そのチャンネルでしか見られない価値をうまく作っている」という点です。『VOGUEセレブのインタビューをあれだけ出せるチャンネルは滅多にありません。これは一般のYouTubeクリエイターには真似できない。ほかにも集英社の「ジャンプチャンネル」では、『週刊少年ジャンプ』原作のアニメを大量に配信することで支持を集めています。これもひとつの勝ち方です。いずれにせよ、その雑誌にしかできないことをやる。それがひとつの答えだと感じています。 私たちはよく「新しくチャンネルを作るので登録者数の伸ばし方を教えてください」と言われます。しかし、私たちにアドバイスできることは、サムネイルはモバイルを意識して大きく見やすくしてくださいとか、再生リストをまとめたほうが見やすいですよとか、当たり前のことだけです。「こういう動画を作ったらウケる」という方程式は私たちもわかっておらず、「一緒に探していきましょう」と言うほかありません。すでに多数の登録者を抱えているYouTubeクリエイターの作り方を参考にしてもいいでしょう。しかし、同じことをしたらヒットするというわけではないんです。繰り返しになりますが、「そのチャンネルにしか出せない価値」を見つけることが最大の近道です。 とはいえ、それを最初から見つけているチャンネルは滅多にありません。ですので、まずバッターボックスに立つことが重要になります。いろんな失敗を繰り返しながら、動画に関する気付きを積み重ねていく。そのためには小さく何度も試せるような環境でスタートしたほうがいい。いきなり1本1本にコストをかけるよりは、小規模でいいから、いろんなアイデアの動画を毎日配信して、何がヒットするのか探っていく。正解は誰にもわからないので、トライ&エラーの数が勝負を分けます。タイアップという観点からも、雑誌メディアは有利だと思います。やはり一般のクリエイターでは、タイアップの案件をまとめるのは大変です。しかし、雑誌ならノウハウがありますし、企業としての信頼感もあるでしょう。広告主としてもYouTubeにおける広告channe」では、定期的にお願いしやすいはずなので、雑誌メディアがYouTubeチャンネルに力を入れることは、企業からも歓迎されると思います。 出版社にできて、一般のクリエイターでは難しいことは、これだけではありません。 例えば、講談社の「VOCE一流のメイクアップアーティストたちが新作コスメを語る座談会を配信しています。その動画はチャンネル内で飛び抜けて視聴回数が多いのですが、そこに「これを見たら他の美容動画は見られない」というコメントが寄せられていたのが、とても印象に残っています。一線で活躍する人たちが自分でチャンネルを持つのは難しいでしょう。でもニーズはある。だから、雑誌がそういうプロフェッショナルのメッセージをまとめ上げ、発信する。これは雑誌というメディアがずっと担ってきた役割でもあります。雑誌の動画チャンネルには、そういう使命も期待されていると思います。正解は誰にもわかっていない一般のクリエイターにできないことをやる﹁そのメディアにしか出せない価値﹂が勝ち筋グーグル合同会社YouTubeコンテンツパートナーシップマネージャー定元邦浩氏     l 7YouTubeの今を聞く

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