雑誌広告_07
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新興フィットネスサービスPelotonのPelotonだ。チェルシーにある、Pelotonのスタジオを訪れた。配信用のコンテンツを収録する公開スタジオとなっているその場所は、コアなユーザーたちが、憧れのインストラクターに会いに来る聖地と化しており、コンテンツによって強くエンゲージメントした顧客の熱気に包まれていたのが印象的だった。 このサービスは、今回の全米をはじめグローバルでの外出制限下において、ま新しいデバイスを核とした接点にコンテンツが入り、ビジネスを推進していくケースは他にもある。雑誌にとって関係が深いファッションの分野を紹介したい。中国のテック系のジャイW  5アント、アリババ社。その杭州本社横の商業施設で展開しているスマートミラーすます生活者の支持を集め、さらに伸張しているという。これまでは、メディアの提供するコンテンツに接して欲望を喚起された生活者は、自力でその実現に向けて必要なものを調達したり、自分自身の気力や努力で継続したり、といった行為が必要だったが、Pelotonのような新しいサービスでは、欲求とその実現が一体化している。メディアでも広告でもない、スマートエアロバイクという新しい接点において、企業活動の根幹にコンテンツが据えられている動きであるといえるだろう。が、興味深い取り組みをしている。来店者の、「新しい服にチャレンジしたい」という願望を、スマートミラー上のファッション診断コンテンツで後押しするというものだ。昨年の秋、メディア環境研究所の研究員が実際に現地で試してみた様子が次ページの写真だ。ithコロナで伸張する鏡がメディアになる、中国のバーチャルフィッティングサービス このように、これまでメディア企業が提供してきたような実用コンテンツが別の場所に埋め込まれ、企業と顧客のエンゲージメントに直接的に作用しているケースはほかにもある。昨年米国で上場し話題になった、新興フィットネスサービス通常フィットネス器具は1 回売ってしまえばそこでおしまいだが、この企業ではエアロバイクに付属したデバイスに月額定額制でフィットネス動画を配信している。ニューヨークのトップレベルのインストラクターによって、毎時間、現地のスタジオから配信される動画では、運動するモチベーションを高めるメッセージが語られ、自宅でひとりエアロバイクを漕ぐ顧客の「運動したい」という欲求を日々刺激し、即、その実現を可能にしている。実際のユーザーの様子を把握しようと、筆者は昨年秋、NY写真左はPelotonエアロバイク(公式サイトより)。バイクにスクリーンがついていて、日中、毎時ごとに新しいコンテンツが配信される。写真右はNYチェルシーの配信スタジオの入口(筆者撮影)。コアなユーザーが集まる聖地と化している

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