雑誌広告2020_09
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 6ョンでした。 当時のアマゾンは書籍販売がメインでした。お客さんがある作家の小説を購入すると、同じ作家の新作が出たときはもちろん、同じ小説を購入した他のお客さんの傾向から違う作家の作品をお勧めしてくれます。1000人にアクションをした結果、何割の人が購入したのか、その割合を業界用語でコンバージョンレートと言いますが、アマゾンのレコメンデーションはこのコンバージョンレートが異常に高い。それまで数打ちゃ当たると闇雲に送っていたメルマガやDMのコンバージョンレートだと0・1%にも満たない時代に、アマゾンのはその100倍以上も購入に繫がるものもある。これは本当に大きな驚きでした。 このことがあったので、アマゾンジャパンが成功を収め次は自ら起業しようと考えたとき、頭の中にはeコマースであること、そしてアマゾンのレコメンデーションで学んだ趣味嗜向を反映したデータベースを活用することがすぐに思い浮かびました。より人の趣味嗜好を反映したものは何かといえば、書籍よりも断然、雑誌です。そこで定期購読専門の富士山マガジンサービスを立ち上げたわけです。 なぜ雑誌を単品で売るのではなく、定期購読にしたのかというと、この2つは同じようでいて全く違います。以前、書店で雑誌を購入した人の調査を実施したときに「初めてその雑誌を購入した人」、「以前購入したことがある人」、「3号以上連続で購入した人」の3種類に分類しました。すると「3号以上連続で購入した人」は安定してある程度の人数がいることが分かりました。でも、この人達のなかで1年後に何人の人が同じ雑誌を買ったのかを分析すると10%〜15%にまで減っていました。それに対して富士山マガジンサービスの定期購読者を見てみると、実に70%が継続を申し込んでいます。 これはどういうことかというと、雑誌の購読者というのは無料でさまざまな情トベンチャーの起業家達を支援する会社を作ろうと、1998年にネットエイジ(現ユナイテッド株式会社)立ち上げに参画しました。この中のメンバーから後にミクシィやメルカリが生まれるんですけど、このころアメリカではアマゾン・ドット・コムがインターネットを使ったeコマースとして世界から注目を集めていました。当然、ネットベンチャーを支援する会社としてはアマゾンジャパンを立ち上げないわけにはいかないよね、となるわけです。そこでCEOであるジェフ・ベゾスにコンタクトを取ったところ、アマゾンジャパン設立にGOサインがでて、私がジャパンファウンダー(日本創設者)の一人となって設立に奔走します。私はeコマースをやるのも初めてだし、出版業界に関わるのも初めて。右も左も分からない中でアマゾンではたくさんのことを学びました。その中で一番衝撃を受けたのが人々の趣味嗜好が反映されたデータベースを使ったレコメンデーシ

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