雑誌広告2023_02
2/8

 デンハムは2008年にイギリス人のジェイソン・デンハムがオランダのアムステルダムで立ち上げたデニムブランドです。2010年に代官山に直営店を出店し、日本での展開を始めました。ブランドのコンセプトは、The truth is in the details.(細部に見出される真実)と、Worship tradition, destroy convention.(伝統を重んじ、しきたりを壊す)で、デニムの裾にダーツを入れて立体的にしたり、テーパードをかけるなど革新的なモノづくりをしております。 私は2011年から参画しましたが、それから売り上げは4.6倍に増え、伊勢丹や森ビルに出店するなど、現在では日本国内に20店舗の直営店を持ち、それ以外にもフランチャイズなど多数の店舗を展開しております。また、他にも卸をしておりまして、アウトレットの運営や2017年からは eコマースも手掛けております。 私が参画した当時はユニクロさんが安いデニムを展開し始めた年で、ファストファッションが流行していました。しかし私は従来にない5万円から10万円という高価格帯のデニムを打ち出しました。そこでファンになってくれた方々が今でもデンハムを支えてくれています。 このファストファッション全盛のタイミングで売り上げを伸ばせたのは、雑誌の力が大きかったと思います。私は、この製品なら20代後半、この製品なら30代から50代と独自にカテゴリ分けしまして、『Safari』『OCEANS』『MEN’S CLUB』に仕分けをしてお渡ししました。それぞれの雑誌は、その雑誌が抱える読者層に対して、どういう打ち出し方、見せ方をすれば読者の心をつかむことができるのか、ということに非常に長けており、独自のデータベースをお持ちです。そうしたデータやスキルの蓄積を基に作り上げられた各誌のノウハウによって、我々では思いつかない角度で表現してくださいました。ブランドによっては雑誌をコントロールしようとする、つまり、自社ブランドの見せ方を指定する会社もあるようですが、私はそれでは雑誌の力を活かすことはできないと考え、雑誌にお任せするのが一番だと今CASEインタビュー: 四方田 隆2株式会社デンハム・ジャパン代表取締役社長根岸 洋明氏でも思っております。 最近では『OCEANS』『PRODISM』『Safari』の3誌にしぼって出稿しております。それぞれの雑誌の発売前にインスタグラムで、どこの雑誌にどんな商品が掲載される、ということを告知すると、それを見た方が雑誌とダブルチェックして商品をご購入くださるので、雑誌の力はやはり大きいと思っております。 そして、十数年前に雑誌をきっかけに来てくれたお客さんは、今でもデンハムを買ってくださっています。世間では雑誌の力が弱くなっていると言われています。確かに人口減やWEBが躍進を遂げたことで、雑誌の販売部数が減少するのは仕方のないことですが、やはり活字には活字の良さがあると私は思います。WEBは確かに便利で、見る人が好きな情報を好きな時に手軽に得られるという利点はありますが、反面、心をつかまれるような情報に接する機会はないように思います。WEBの世界はすごく広いですが、自分の興味のある範囲でしか見ない。逆に雑誌では知らないものに出会える機会が多いという印象です。 私はそもそもデジタルってつまらないと思っています。デジタルの世界は1+1=2なわけです。でも、私は1+1が「4」になったり、「多」になったりするのが好きです。雑誌の効果は数式によって導かれるのではなくて、完全に肌感覚のようなものでしか導けないものです。極端に言えば、雑誌の反響なんてなくてもいい。雑誌に出稿したことによる、目に見えない影響や効果があると思っています。plus10肌感覚で導かれる雑誌の効果最前線最前線最前線最前線最前線+++++

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る