イベントを開催すれば、北海道から九州まで全国から読者が駆けつけ、メルマガの開封率は社内の媒体でナンバーワン。オフィシャルグッズのTシャツも瞬く間に完売する。そんな熱量の高いファンコミュニティに支えられているのが講談社の『FORZA STYLE』だ。同誌は2015年2月に本格スタートしたファッション&ライフスタイルマガジンで、ミドルエイジ男性のためのオンラインメディアとして展開している。男性ファッション誌の売り上げが厳しい時代に、なぜ、れほど大きな支持を得てい2 0『FORZA STYLE』で何!」、同じくライター&編集者の荻山尚氏の「中年と中古車」などの人気シリーズにもそれぞれ固定のファンがいる。編集長の干場義雅氏も媒体のアイコンとしてさまざまな動画に登場し、根強い支持を集めている。 「最近では広告案件でも、かをやりたい、というだけではなく、『腕時計魂』で新作時計を紹介してもらいたい、『中年と中古車』の荻山さんに出てもらいたいといった、あらかじめ出演者を指名した相談をいただくことが増えてきました。媒体だけでなく、出演者それぞれにファンがいることがクライアントの方々にも伝わってきたのだと感じています」 動画の各出演者たちのキャラクターが認知されていくにつれ、『アという枠を超え、多くのタレントを抱えたタレント事務所のような存在になりつつある。しかし、従来の男性ファッション誌なら、それはきらびやかなモデルたちが担っていた役割だっFORZA STY『FORZA STYLE』はこるのだろうか。同誌エグゼクティブ・プロデューサーの栗原資英氏はこう話す。 「創刊当初は我々も従来の男性ファッション誌のように、感度の高い情報発信に注力していました。しかし、オンラインメディアの収益は基本的にPV数に左右されます。特定の層に向けたファッション情報では、大手ニュースサイトのような規模にはどうしてもならない。つまり、記事を掲載するだけでは成長に限界が見えていたんです。そこで試行錯誤する中で動画に活路を見出したことが、結果的には転機となりました」栗原氏も言うように、現 3 在の『FORZA STYLE』の最大の特徴は、講談社という大手出版社のメディアにもかかわらず、YouTubeでの動画配信に力を入れているところにある。公式チャンネルの登録者数は年末時点で23・5万人。人気の動画では数十万回再生を記録することも珍しくない。ライター&編集者の福田豊氏が案内役を務める「ロック福田の腕時計魂LE』はオンラインメディまさに業界でもファンが多い大人気コンテンツ「ロック福田の腕時計魂!」はあまりにも有名中年Aとして独特の語り口で幅広いファンを獲得連載「中年と中古車」などを担当一方的に「推す」だけの存在だったファンの定義が変わり始めている。SNSやブログでコンテンツ作りに参加し、リアルイベントで“場”を作る。媒体社がファンコミュニティをうまく運営し活用するためのヒントとは? アクティブで熱いコミュニティを持つ二つの媒体に話を聞いた。40代男性がメインターゲットの『FORZA STYLE(フォルツァ・スタイル)』ライター&編集者ライター&編集者荻山 尚氏福田 豊氏干場義雅氏CASE①2 2フォルツァの顔講談社FORZA STYLE編集長 兼ファッションディレクターFORZA STYLE講談社キャラ立ちメンバーが引き寄せる熱量の高いファンコミュニティ応援する人から共創者へ媒体を成長させる、新時代ファンコミュニティ
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