雑誌広告2023_02
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より深まるリアル大学生への知見 --6かれる。そのため、在学中からボランティアやインターンに励むのだが、近年はコロナ禍のため、そうした活動が著しく制限された。そんなときに「大学生エディターズ」の募集が始まったため、編集部の想定を超える応募があったのではないかと小泉氏は推測する。 「実際、書くことが好きな文系の学生だけでなく、理系や医学部、国立大学の学生も多数います。この活動は自己PRのネタに使ってOKなので自身のSNSでも積極的に記事を拡散してくれるんです。学生にとっても編集部にとってもメリットがある企画になりました」 それだけに参加者たちの熱量は高く、月4回の記事更新もほとんどの学生がこなし、「もっと読まれるための工夫」を編集部に尋ねてくることも珍しくないそうだ。 「最初は身の回りのことを素朴に書いてもらえれば、と思っていたのですが、活動を続けるにつれて彼女たちの興味の幅が広がっていno』編したが、こうして定点観測することで、誌面の企画でも広告案件でも、ちゃんとした裏付けがあって発信していると説得力を持って言えるようになりました」 前出の小泉氏もうなずく。 「芸能界もインフルエンサーも目指していない普通の大学生だからこそ、その意見にリアルさを感じられるのだと思います。広告案件に登場してもらうことも出てきており、コスメのタイアップでは、誌面には読者のあこがれである『カワイイ選抜』の子に登場してもらい、web記事では『大学生エディターズ』の子に感想を投稿してもらうといったことも始めています。まず話を聞いてみたいという問い合わせも増えているので、今後いろいろなかた『nonnoンダーといった社会的なテーマを書きたいという人もいて、とても充実していました。だから、100人は何とか選んだのではなく、泣く泣くこの人数まで絞ったという結果なんです」今どきの大学生は就職活動の際、「学生時代に一番力を入れたこと」を必ず聞き、どんどん記事の内容が多様になってきています。しかも、どれも面白いんです。『編集者が直しているんでしょう?』と聞かれることもありますが、ほとんど手を入れていません。それだけ今の大学生は何かを伝えたいという思いを持っているんです。すでにPV数を稼ぐヒット記事も多く生まれています」 「大学生エディターズ」の担当を務める『non集部の保坂未央氏は、大学生のリアルな意見に日々触れることで、世間で言われるイメージと実際の姿とのズレを感じることも増えたと話す。 「例えば『若者の旅行離れ』がよく指摘されますが、彼女たちのブログのネタに旅行はすごく多いんです。コスメにしても大学生はプチプラかと思いきや、美容は自分への投資と考える意識が強く、そこにはしっかりとお金を使う子も多い。今までも読者調査はしてきまちで活用していきたいですね」 まだ始まったばかりではあるが、「大学生エディターズ」ではメンバーの自主的なオフ会も積極的に行われており、組織として徐々に自走してきている手応えはあると小泉氏は言う。 「私たちが細かく指示しなくても積極的に動いてくれるのがありがたいですね。』が好き、という共通点で集まった子たちが、次々と新しいことに挑戦していくことで何が起こるのか。2期生の募集も始めるので私たちも彼女たちの勢いに負けないように頑張っていきたいです」定番のディズニー情報が独自の工夫で大ヒット。多くのPVを獲得し人気記事にランクイン↑『non-no』2023年3月号(1月発売)←「大学生エディターズ」へのアンケート結果を誌面作りにも活用。大学生の等身大の姿を紹介するnon-no編集部保坂未央氏集英社

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