雑誌広告2023_04
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『食楽』徳間書店 ②食 』5クライアントのツール制作があり(冊子や動画等)、WEBはアドネットワークとタイアップ、さらにECと、収入源は多岐にわたっています」 そうした中で、雑誌媒体の価値をとくに感じるのはどのような部分だろうか? 「〝食〟をテーマにしたWEBメディアはたくさんあり、とくにお金を払わなくてもいくらでも情報にアクセスできますが、その中のどれを信じればいいのかという時、紙の出版物を出しているという事実自体が、読者に対してもクライアントに対しても高い信頼性を担保すると考えています。また、紙で情報を読むと、それっきりになるのではなく、家に置いておき、読み返したくなるという部分も大きいですね。さらにクライアント目線で言うと、お金を払って雑誌を購入する凄くコアな層にリーチできる出稿先であるというのが強みであり価値だと思っています」一方でWEBはどのような役割を持ち、差別化しているのか。 「本誌の読者は、食と酒に関する情報感度が非常に高い40代の男性が中心ですので、食と酒の分野でクオリティの高い写真と実力派のライターを揃えてWEBではなかなか切り口として選ばないような深い部分を特集のテーマに据えています。対してWEBは20代半ばから40代の男女、つまり読者の年齢層が本誌より下がり、かつ女性が入ります。とくにコロナ禍になって以降、その比率が高まっているのですが、そういうことも含めて、やはりWEBにおいてはトレンドとかニュース性を意識した情報を発信しています。クライアントからすると、出稿していただくことで、この読者層の違いを利用して、『食楽』のコアターゲットに訴求しつつ、より裾野を広げて多くの人にリーチする、あるいは逆に多くの人からコアへというように、相乗効果を生むことができるところを評価していただいていると思います。もう一つ、WEBの女性読者が増えたことを受けて、『食楽女子部』を結成して、女性のライターや編集者、あるいはインフルエンサーの方が商品をレビューする企画は人気になっていて、こちらを使ったタイアップをクライアントに提案すると引きがありますね」 たとえばファッション誌の場合、紙でもWEBでもターゲット層に差異はないが、『食楽』の場合、紙とWEBを両輪にすることで、読者の間口を広げることを可能にしているわけだ。では、具体的にどのような展開ができるのか。 「ある県の複数のお米ブランドの総合的なプロモーションということで、雑誌、WEB、さらに『食楽』と付き合いのある飲食店、SNSを交えた企画では、試食会やそのお米が食べられるお店を紹介して、ユーザーとのタッチポイントが多いことが好評でした。ちなみに、このタイアップ獲得は、そもそも『食楽web』内の『全国の美味しいを再発見!ご当地グルメ』というページでの記事掲載が追い風Tube動画も制作しました。になりました。お米の場合、近年、非常に収穫は順調なのになかなか売れないという問題があるので、このタイアップを皮切りに各地方の団体と組んでのお米応援プロジェクトを展開したいなとも考えています」 食と酒というテーマは一見、狭いように見えて実は非常に幅広い。それだけにいろいろな方向から企画を立てることができる。 「キッチングッズのクライアントのタイアップでは、『食楽』と『GoodsPressの編集長が『新型コロナの影響でおうち時間が増え、家族に邪魔者扱いされがちなパパのポジショニングをアップさせるために、父の日に料理をしたり、お酒をふるまったりしてはどうだろう』という内容の対談をキッチングッズとからめて、両誌に掲載し、さらにYou これは切り口がキャッチー食と酒、旨い!にこだわるオトナの食情報誌『食楽』は2005年に月刊誌として創刊。現在は年4回の刊行となっている。雑誌のDXがしきりに言われ、紙媒体から完全にWEBへシフトする媒体も出てきているが、現在発行している紙媒体については「やめるつもりはない」と徳間書店の小宮英行社長はあるインタビューで断言して、紙とWEBの両面作戦で成長戦略を描く。その具体的な取り組みについて、『食楽web』編集長の中尾泰生氏に話を聞いた。 「『食楽』の紙とWEBを合わせた収益の構成は、本誌の販売収入と広告収入、そして本誌のコンテンツの活用としてムックの制作や 『食楽web』編集長徳間書店テーマ中尾泰生氏CASE

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