雑誌広告2023_04
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『世界の腕時計』だったこともあり、新聞社にも取材していただきました」 『食楽』はジナルコンテンツやタイアップ動画を上げるチャンネルを開設している。クライアントからの要求として、もちろんイベントなどの相談もあるが、最近はむしろ、動画での拡散の依頼を受けることも多くなっているという。また、SNSではタイアップに合わせてプレゼント・キャンペーンを行うことも多いが、その際はリプライを応募条件とすることで、ユーザーの生の声を収集できるのもクライアントには好評だ。徳間書店のもう一つの特徴はCCCグループの傘下 雑誌が生き残るためには、WEBシフトが最低条件と、多くの人が信じて疑わない時代に、媒体のサイトを持たず、電子版も発行せずに紙単体で年4回の刊行を頑なに守り続けているのがワールドフォトプレスの『世界の腕時計』だ。その立ち位置や現状を同社メディアビジネス部の野呂武彦氏に聞いた。 「弊社は趣味性の高い雑誌を刊行しています。そのなかで『モノ・マガジン』はクライアントのデジタルシフトの影響がもろに出ており、極端な話、本誌はいらないからコンテンツを作って欲しいという要望までありえるという状況です。もちろんそれが世の流れですが、一方で『世界の腕時計』はYouTubeにオリにあることだ。しかも各社が散らばることなく一つのビルに集積している。 「クラウドファンディング、EC、イベント事業など様々な分野にリソースを持つ会社がグループ内にはあります。互いの強みを活かしながら協力し合うことでグループシナジーが発揮できている場面も多いと感じています」最後にこれからの課題について聞いた。 「やはり本誌にしてもWEBにしても、これまでとは違うやり方でもっと固定ファンを増やしていかなければいけないと思っています。そのための手法を様々な角度から常に検討しています。例えばサイトの会員化。ユーザーを可視化し、その方方と一緒にイベントや商品開発などを展開していくことは、他社でも取り入れられている手法かと思います。また、すでにファンを抱えている『食楽』と親和性の高いインフルエンサーと連携することで、認知を広げながらファンを獲得していくのも考えのひとつです。その他でいうと、弊社のWEBメディア『アサ芸プラス』から派生した、『アサ芸ビズ』、『アサジョ』と、同じように人気のある特定の部分だけを切り離して特化させることで、よりコアなファンを囲い込むようなやり方も考えられます。もちろん別サイトがいいのか、それとも『食楽』の中で一つの特集としてやっていった方がいいのかは慎重に検討していかなければなりませんが。これらに限らず、ファンビジネスに関連したビジネスモデルについての情報収集を積極的に行っています。」昨年来、アドネットワー   ③6うだ。クのアルゴリズム変更の影響で、各社がWEBからの収益低下に直面している。そうしたなか、ただただPVを追い続けることから脱却し、新たなファンビジネスの開拓に挑む『食楽web』が、本誌と連携してどのような戦略を立てていくのか、注目し続ける必要がありそコンテンツビジネスという意味においては20年前と同じようなことしかしていないんです」 それでもワンテーマで雑誌がきちんと存続できている理由は、高級時計に独特、かつ特異な市場が形成されているからのようだ。 「『世界の腕時計』もかつてはコンテンツビジネスをいろいろと試みました。新聞社と組んで時計の特集版を作り、大都市圏の富裕層が多いエリアに配布する広告企画をやったこともあります。ただ、思うような結果にはなりませんでした。そうしてわかったことは、極めて趣味性の高い高額の商品にマスメディアは必要ないのだろうということです」 コモディティ化した商品を売るにはマスである必要があるが、高級時計といえばクルマ、ことによるとマンションすら買えるような価格の商品もある世界。それだけに読者のニーズも独特で、要求も高い。 「『世界の腕時計』はメディアとして部数が多いわけ『食楽web』で全国のグルメを紹介している特集「全国の美味しいを再発見!ご当地グルメ」のTOPページ。中尾氏は「この特集があることによってタイアップ広告につながった例も少なくない」と言うテーマCASEワールドフォトプレス腕時計

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