紙の雑誌を知らないZ世代に雑誌の楽しさを伝える新たな入口となるdマガジンをきっかけに雑誌の面白さに気づいたZ世代■サービス開始:2014年6月■配信雑誌:人気雑誌1,000誌以上、B3■dマガジン■for iz』という法人を合わせた約2800冊以上を配信させていただいています。サービス開始から約9年でここまで雑誌数を増やすことができました」 サービスがローンチした頃とは雑誌を取り巻く環境は大きく変わった。書店はその数を減らし、駅の売店や大手コンビニチェーンでは、雑誌コーナーがどんどんと縮小されている。 「サービス開始当初、出版社様は紙の雑誌への影響を考慮されていました。もちろんそこはいろいろなご意見があると思います。ただ、 NTTドコモが提供している雑誌読み放題サービス『dマガジン』がスタートしたのは2014年6月。以来、日本の電子雑誌を牽引してきた。NTTドコモでdマガジンを担当するコンテンツサービス部書籍ビジネス担当の大場達史さんは、これまでの歩みをこう振り返る。 「サービススタート時に配信していた雑誌はわずか70誌程度でした。それが直近では約1000誌(定期刊行300、ムック700)の最新号とバックナンバーここ数年は出版社様としても紙だけではなくて、WEBやECサイトなどいろいろな形で読者、ファンを取り込んでいく施策を実施されています。その中で雑誌のデジタル化というのは欠かせない要素になっています。70誌から1000誌へと増えたのは電子雑誌を自社のメディアやコミュニティーで配信するだけではなく、より多くの人にリーチするためにdマガジンを活用いただいているからだと思っています」 コロナ禍以降、雑誌を手に取る機会となっていた、美容院や病院でも雑誌を置かないところが増えている。 「感染を気にして、不特定多数の人が手に取る雑誌を敬遠するお客様が増えたことで、紙の雑誌を置かない美容院や病院が増えています。とはいえ雑誌を読みたいというお客様は一定数いらっしゃいます。2016年から『dマガジン向けのプランを提供していますが、このサービスに加入してタブレットでお客様に雑誌を読んでもらうという動きが広がりました」 dマガジンが書店やコンビニの代わりに雑誌のショーウィンドウ的な役割を果たすようになったことで、新たな動きも見えてきた。dマガジン全般を管理するコンテンツサービス部書籍ビジネス担当課長の石川大さんは「dマガジンを通じて、Z世代など若年層が雑誌の楽しさを感じている動きが徐々に見られるようになってきた」と話す。 「これまで若年層は雑誌を読まない世代とされてきました。ところが美容院などでタブレットを渡されて初めてじっくり読んだことで、紙の雑誌市場が縮小を続ける中、雑誌のデジタル化が今、注目を集めている。ただ紙の雑誌を電子化して配信するだけではなく、紙の雑誌や電子雑誌とデジタルメディアをセットにしたサブスクサービスを始める雑誌も多い。そこで電子雑誌の読み放題サービスで日本に電子雑誌を定着させた『dマガジン』とデジタルメディアのサブスクサービスで実績を上げている『日経ビジネス』に、電子雑誌の今を聞いた。スマートライフカンパニーコンテンツサービス部NTTドコモ『dマガジン』NTTドコモが提供する雑誌読み放題サービス。スマートフォンやタブレットやパソコンを使って1,000誌を超える最新の人気雑誌を月額440円で、好きなだけ読むことができる取材・文/福田 剛 バックナンバー含め2,800冊以上NTTドコモ書籍ビジネス担当大場達史氏CASE1大きく変わりつつある電子雑誌のカタチ
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