4 「ひとつは意識です。一般Webメディアのユーザーは、実用性のある情報を求める意識が高いのに対して、出版社Webメディアのユーザーは、メディア全体を楽しむ意識が高い。もうひとつは思考です。一般Webメディアのユーザーは、手早く要点を知りたい、時短思考。出版社Webメディアのユーザーは、専門性・信頼性が担保された情報源を好む、共感思考と言えます」 この違いは、今回の調査結果にも影響を与えている「前提」にもなっている。 「閲読理由や、自由回答を見てみると、出版社Webメディアのユーザーは、メディアのファンであるという印象を受けます。そのポジティブな意識が、広告接触においてもプラスに働いていると考えられます」 そこには継続的な接触によって育まれた、高いエンゲージメントが存在する。だからユーザーは、信頼する情報源として出版社Webメディアの情報を素直に受け取る傾向にある。TAL』の調査を実施しまし歩み始めました。そのなかで『M-VALUE』も拡張性を持たせる必要があると考え、今回、雑誌由来のWebコンテンツの価値可視化を目的に、『M-VALUEDIGIた」スタートし、2023年の2月まで実施。出版社Webメディアと一般Webメディアに掲出された、タイアップ広告の効果を比較検証することで、差異を導き出した。 「対象としたのは、14の出版社Webメディアと、13の一般Webメディア。結果を比較・分析することで、これまで漠然と〝ある〟とされていた、出版社Webメディアのコンテンツ価値を、数値化することを目的としています」 そこには、出版社としての矜持もある。 「出版社は各社、コンテンツ制作と真摯に向き合い、多くの時間と労力を投じています。なぜなら、そこに意味があり、価値があると信じているからです。今回調査は2022年8月にの調査は、出版社が長年にわたり培ってきたコンテンツ力の効果可視化であり、いくつかのポジティブな結果は、出版社がこれまで歩んできた歴史を肯定するものとなりました」出版社が生み出すものと、そうでないもの。検索時代の現代においては、その違いをユーザー自身が意識し、選んでいるかどうかも怪しい。 「だからこそ、出版社Webメディアの価値を示す必要があるのです。そしてきっと、調査結果を見ていただければ、雑誌の育んできたブランド力はデジタル上でも寄与していることが、おわかりいただけると思います」 だが、一度の調査で判断するのは早計だ。あくまでこれは、始まりに過ぎない。 「正確性を担保するためには、さらに調査を重ねていく必要があります。今回の調査は小さな一歩。ですがその結果は、出版社の未来を明るく照らす、大きな一歩になったと考えています」調査設計・分析を担当した、ビデオリサーチ執行役員企画推進ユニットユニットマネージャー池田宜秀氏に、今回の調査結果について聞いた。 「本調査では、出版社Webメディアと一般Webメディアに掲出した記事広告を、アンケート調査、Webサイト訪問履歴調査に加え、自由記述の回答も収集することで、それぞれの特徴や広告効果の違いについてを分析しています」 すると、それぞれのメディアのユーザーには、2つの相違点が見つかった。執行役員 企画推進ユニットユニットマネージャービデオリサーチ池田宜秀氏調査結果①異なる前提。出版社Webメディアのユーザー=ファン
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