ブランド誘致でアドバンテージを獲得原点に立ち戻り、集英社の強みをECにも展開I 3が減少していくなかで、第3の収入源を集英社は探していた。 「しかし、雑誌と無関係のビジネスでは本末転倒です。あくまで、雑誌づくりの延長にあり、雑誌のブランド力を活かせるカタチであるべきだと考えていました」雑誌には読者がいる。雑誌の価値観に共感し、掲載された商品を求め、店舗に足を運ぶ読者も多数いる。 「ですから雑誌で紹介されたものがECサイトで買えるというのは、いちばん自PPY PLUS STORE」の前LAFLAG SHOP』では、LEEéclat』などに掲載』、『』、『BA』、『2007年といえば、フ『FLAGていました。そのなかで、店してくださるブランド様が多くいたことは、他社との差別化につながり、大きな追い風となりました」 雑誌連動型のECサイトというコンセプトは、読者だけでなく、ブランド側にも好意的に受け止められた。結果、雑誌で培ったブランドとの信頼関係をそのままEC事業に横展開することができ、当時、EC新規参入企業が苦労していた「ブランド誘致」の部分で、集英社はアドバンテージを得ることに成功した。2 「0利1用4者年は頃みにるはみ月る間増1加し万、人以上の新規会員を獲得。2014年11月には会員数らに同年上期(2014年6月〜11月)の通販売り上げは、初めて20億円を超えました」第3の収益源として、EC事業は順調に拡大しているかに思えた。 SHOPなら』と出2006年は、アパレルEC業界にとって激動の年だったと言われている。各ブランドが自社でECサイトを開設し、「ネットでも服を売る時代」へとアパレル業界が舵を切ったからだ。 「集英社でもその頃は、デジタル化に向けた検討が盛んにされていた時期でした。背景には出版不況があり、各社が次の一手を模索していた時代でした」と、集英社ブランドビジネス部コマースメディア室兼情報システム部情報マネジメント室室長石塚雅延氏は当時を振り返る。1996年をピークに、縮小傾向にあった出版市場。雑誌の販売部数、広告収入ZOTOWN」を手掛けるス然で、かつ読者に寄り添った形での新たな収益源となると思いました」 こうして2007年、「HA身、集英社のファッション誌が主体となった公式通販サイト「FLAG SHOP」がローンチした。 「『集英社の人気ファッション誌『MOREされた商品をラインナップ。雑誌連動型のECサイトとしてスタートしました」ァッション通販サイト「ZOタートトゥデイ(現ZOZO)が東証マザーズに上場した年であり、「ネットで服を売る企業」の上場は当時、大きなニュースとなった。 「その前から、同市場自体は拡大し続けていましたし、注目度も高まり続けていました。しかしブランド側は当時、自社以外のECサイト出店に慎重な姿勢を貫い「ネットで服は売れない」と言われた時代は、いまや昔。2022年8月、経済産業省が発表した「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」によれば、日本国内のアパレルECの市場規模は2兆4,279億円。前年比9.35%増を記録。同市場はここ数年、高い成長率を維持し続けている。そのなかでファッション誌を手掛ける出版社も、同市場に着目。雑誌のチカラをECに持ち込むことで、見事に事業を拡大している。アパレルECを運営する、集英社とハースト婦人画報社の2社に、「出版社(雑誌)×EC」の親和性、そしてその成果について話を聞いた。ハッピー プラス ストア情報発信型コマースメディア「HAPPY PLUS STORE」TOPブランドビジネス部コマースメディア室兼 情報システム部情報マネジメント室 室長文/赤坂匡介集英社石塚雅延氏CASE①集英社55万人を突破しました。さ「HAPPY PLUSSTORE」編集者のチカラを活用し、ECでも■出版社らしさ■を追求拡張する編集力の現在地雑誌のチカラ出版社×ECを成功に導く、
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