こだわったのは、雑誌クオリティ出版社だけが読者を顧客に変えるéclat PL 「しかしEC事業への新規参入が相次ぎ、ECサイトが増えてくると、これまで大きな強みであった、『ここでしか買えない』独自性の価値は低下し、同じ商品を他社サイトでも買える時代が訪れました」 そこであらためて原点に立ち戻り、「出版社(集英社)の強み」と向き合った。 「雑誌を見て、『かわいい』と思ったり、『欲しい』と思ったりするのは、心が動いたからですよね。それを生み出しているのは、編集者の編集力であり、出版社のコンテンツ力です。そしてそれは、真似したくても、簡単に真似できるものではありません」S STORE』と名称変更し、PLUS STORE」と同じ商送していることも、購買率の向上につながっていると感じています。ちなみに、いちばん部数が多いのが『スタンダードブック』で、毎回7万部を郵送しています」 前述の通り、「HAPPY品を扱うECサイトも現在は存在する。それでも多くのユーザーが「HAPPYのは、その世界観、リッチなコンテンツを付加価値と捉えているからだろう。 「会員向けのカタログも、ECサイトの記事コンテンツも、雑誌のクオリティを提供する。紙とWEB、双方のブランディングをしっかり構築してきた結果、お客様の購入単価も高く、高価格帯のものも売れるEC』、『Marisol』掲サイトへと成長しました」今年の売り上げは50億円を突破する見込みだという。 「実は直近数年は、売り上げが横ばいになっていた時購入単価は2万円以上、 雑誌づくりによって育まれたそのチカラを、ECサイトにも活かすことで、さらなる成長を求めた。 「エディター、スタイリスト、モデルをはじめとしたファッションのプロの『目利き力』、商品だけではなく、着こなしやライフスタイルまで提案する『編集力』。このふたつのチカラを最大限に活用することを目指し、情報発信型コマースメディア『HAPPY2020年2月より、我々は再スタートを切りました」 「HAPPY PLUS STORE」を開くと、洗練された写真が並ぶ。そこには集英社のファッション誌に登場する有名モデルの姿もある。さらにサムネイルをクリックすれば、ファッション誌クオリティの紹介文が用意されている。 「デジタルメディアのような、豊富な記事コンテンツと、それぞれの質の高さにこだわることで、『HAPPYPLUS STORE』で買いた PLUいというユーザー=ファンを増やしたいと考えました。なかには雑誌の転載コンテンツもありますが、オリジナルで制作しているコンテンツも多数あります」 ECサイトでありながら、メディアでもある。だから購入目的だけでなく、情報収集目的でも訪問したくなる。さらに会員限定で、集英社の本気を感じさせる、スペシャルなカタログも定期的に無料で届けている。 「カタログも、雑誌と同じスタッフを起用し、雑誌を作る感覚で制作しています。誌面では、コーディネートや着こなしのポイントまで紹介していることもあって、毎回反響も大きく、カタログに掲載した商品が売り切れてしまうこともよくあります」 カタログは、『スタンダードブック』のほかに、『LE』、『載のアイテムをまとめたそれぞれのブックなど、種類が豊富なのも特徴だ。 「セグメントされたユーザーに向けて、カタログを発US STORE」を利用する期もありました。そこでカタログをはじめとした、コンテンツ強化という戦略を打ち出し、ついに停滞期を抜け出すことができました。その結果を前にして、やはり我々の最大の武器はコンテンツ力なのだと、再認識しました」 クーポンを配布すれば、一時的に服は売れるかもしれない。しかしそれは、サイトのチカラではなく、クーポンのチカラだ。 「安くてお得もひとつの価値ですが、出版社が運営するECサイトならではの魅力とは言えません。付加価値という観点で考えたときに、良質なコンテンツを通 E 4まるでファッション誌のような高クオリティの記事コンテンツでは、商品紹介に留まらず、着こなしのポイントまで紹介されている会員限定のカタログ。誌面には、雑誌の世界観が反映されており、そのクオリティも雑誌と変わらないものになっている
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