CASEインタビュー: 四方田 隆45th Anniversary Year Fine2ボードライダーズジャパン合同会社ロキシー・ブランド マーケティングマネージャー花村 朋彦氏2個、3個と置くのは大変です。だから130店舗あるお店の店頭で取り組むということに関しては、足を運んだ人やスタッフが手に取れる方がいいということがあり、アナログだけとやはり“雑誌”という形態で配れた方がいいかなというのがありました。 あと、今の『Fine』はメンズライフスタイル誌になっていますが、かつて横乗りブランドのレディースと『Fine』はすごく密接な関係にありました。ブランドが一番売れた1990年から2000年代が今で言う「Y2K」(Year 2000の略)ファッションのメインの時代でしたが、ちょうど今の若い子たちの間で流行っています。今回のムックはユニセックスです。私たちのブランドはまさしくその時代を反映しているので、今の若い女の子にもテイストとして受け入れてもらえるのではないかと思いました。 今回の企画の出演者=モデルはデジタル世代です。SNSで活躍している子たちがこのムックに出ているので、若い子たちは「『Fine』を見たから知りました」じゃなくて、出ている人たちのSNSを見ているから「『Fine』が出るのを知りました」という感覚です。上の世代は、雑誌に「自分の娘が出てます」そういう感じでしょうか。「昔、この雑誌に出てたんだよ、パパとママ」というような、サーファーの方とかにいるじゃないですか。その世代は実感を持って読んでいて、若い人たちはいわゆるモデルと違って雑誌に出ることがほぼないのでけっこう目新しいみたいな。今回、年齢層の上と下の融合をこのムック本でやろうとしましたが、 ほぼそういう雰囲気になったのではないかと思っています。 ボードライダーズは、サーフィン、スケートボード、スノーボード関連のアパレル・フットウエア・アクセサリーを扱っており、私が担当する「ROXY」はそのなかでレディースを対象とするブランドです。 サーフィン、スケボー、スノボーなどのいわゆる「横乗りスポーツ」のアメカジカルチャーが日本に輸入され盛んになっていくのは1980年から1990年代にかけてですが、その情報を日本に伝え、流行を牽引したのがまさしく日之出出版から出ていた『Fine』でした。この雑誌が今年45周年を迎えるということで、私たちは取引先でもあるこの業界の小売り最大手「ムラサキスポーツ」と組んで4月1日に『45th Anniversary Year Fine』というムック本を出しました。 そもそもサーフィン等というと若者のイメージがありますが、業界を支えている人たちは日本の人口構成とけっこう同じ状態で、50代、60代が「俺らの青春!」という感覚でやっています。ですがファッションで考えると、新しい世代が出てこないと衰退してしまうので、これをなんとかしなきゃいけない。普通に考えて、若い子たちに訴えるには「デジタルだよね」となるのですが、影響力を持っているのは50代。例えば商品を選んで店頭に並べるのは50代です。だから「デジタル広告をやりましょう」と言っても、その人たちはあまりピンとこないわけです。逆に若い子たちと話してみると、雑誌に対して興味はあまりない。それは時代の流れ的にそうだろうなとは思いますが、「じゃあ雑誌に出たい?」と聞いたら「出たいです」という反応もあり、ならばこれを両立させたいというのがそもそもムック本を出す経緯としてありました。 もう1つが、今回はムラサキスポーツを軸にした企画だったということです。雑誌であれば2冊でも3冊でも置けるけど、モニターをplus18「横乗りスポーツ」のアメカジカルチャーをムック本で刊行最前線最前線最前線最前線最前線+++++
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