大きな成長を遂げたリードジェン広告i4p Mana ので、リードが取りやすい、それに対してより専門的なニッチな分野であったり、マーケットが大きくない製品はリードを獲得しづらいので料金が高くなります。個人情報では従業員規模や役職者など細かいセグメント条件を指定していくと料金は高くなるといった具合です」 これは日本でも絶対に通用すると確信したアイティメディアでは、『テックターゲット』日本版立ち上げと同時にリードジェン事業をスタートした。しかし、開始当初は必ずしも順風満帆とは言えなかった。 「当時日本ではまだBtoBマーケティングの手法自体が一般的ではなかったので、それこそほとんどの企業がリードジェンって何?という状況でした。我々がご説明に行って『これからはリードジェンの時代です』と話しても、『これまで広告タイアップをたくさん出稿してきたのに、今さら違うmer Relationshgement・顧客関係管理)ツします。もう一つがマスク記事というスタイルです。記事を読んでいると途中で、『続きを読む場合はここでログインしてください』と表示されて記事が読めなくなっているページがありますよね。これがマスク記事です。マスクを解除する時にパーミッションをいただき、個人情報を納品します」 従来の広告が「商品について知ってもらいたい」「たくさんの人に広めたい」といった目的で使われることが多いのに対し、リードジェンは直接製品の販売アプローチをするための情報を集めるものとなる。そのため広告料金は一定の掲載料ではなく、集まったリード数によって決まる。 「1リードいくらという単価を設定しています。それを100人分くださいと言われたら、単価×100という料金体系になります。ただしこれはベースの料金で、製品のジャンルの違いや欲しい個人情報の属性によって単価は変わります。例えばセキュリティの領域の製品は読者の関心が高い広告に変わりますってどういうことだ』と、お叱りを受けたこともありました」 しかし、アメリカのマーケティング手法が日本で浸透するにつれて、リードジェン広告が徐々に受け入れられるようになる。 「最初に外資系企業さんが本国の方針に合わせてシフトしました。日本の人達もそのノウハウやフォーマットを学び、リードジェネレーション主体のマーケティングに変わっていきました。あともう一つ大きな転機となったのが、CRM(Custo ールの普及です。獲得したリードデータをCRMに入力するだけで顧客管理や顧客分析、問い合わせ管理やメール管理、イベント集客などが簡単にできるようになりました。これによってリード獲得の重要性がますます高まりました」 リードジェン事業は順調に成長を続け、現在は同社の収益の33%を占めるまでに成長を遂げた。 その一方でリードジェン事業を伸ばしていくための苦労もある。リードを獲得するためには、より多くの読者をサイトに誘引する必要がある。 「単純に言うとサイトを訪れる会員数というのは記事の本数×ページビュー×会員登録率(コンバージョン)ということになります。会員数を増やすには記事の本数を増やし、ページビューを増やす必要があるわけです。アイティメディアはすべてのウェブメディアで記事を無料で提供しています。会員数を増やすためには、読者のニーズに合った記事をどんどん無料で提供していかなければいけないという苦労は常にあります。もちろん新規の登録読者を増やす=アクティブ数を増やすことになり、リードジェン事業にメリットがあることは間違いありません。ただ会員獲得コストに対するリターンというのを考えると既存の読者会員のライフタイムバリュー(LTV・顧客生涯価値)を上げないと経営効率は上がらない。さらに言うと、読者会員は、アイティメディア収益構造の変化広告中心から、リードジェン、デジタルイベント等のより顧客獲得に近いサービス中心へ転換リードジェン収益デジタルイベント収益運用型広告収益※ラベル:売上構成比広告収益2013年から2022年までのアイティメディア収益構造の変化。9年間でリードジェン広告による収益が大きく増えていることが分かる
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