雑誌広告2024_05
3/8

雑誌のブランド力が広告主からの信頼に紙の雑誌が生き残る道!?GAZIclaireたち」。そういう方々が多く住む地域の朝刊に折り込 』 I 3という数字も広告主から評まれる高級マガジンとして配布するほか、ラグジュアリーホテルなどにも設置している。新聞社の販売ルートと購読者のデータ分析を活用することで、高所得者にピンポイントで届けられることが強みだ。店頭で売られているファッション誌が部数を減らす中、30万部価されている。 この「富裕層をターゲットにして新聞に挟み込んで配る」というスタイルは、日本で同誌が最初に始めた。『YOMURI STYLEMA折り込みではブランドの世界観を保つことができるのかという点も懸念されたが、「そこは長年の信頼関係で任せてもらった」と田居氏。出演を依頼したモデルや女優たちも、「あの『marie 』なら……」と快諾してくれた。雑誌が培ってきたブランド力が前例のない取り組みを実現させたのだ。 「一般のファッション誌よりも判型を大きくして、写真が目立つようにする。紙質も試行錯誤を重ねて、高級感が伝わりやすくする。とにかくビジュアルのクオリティに徹底してこだわりました」 そうして発行されたリニューアル号は、当初から大きな反響を得た。掲載ブランドの中には商品の問い合わせのため、配布の当日から電話が鳴り止まなかったところもあるほどだった。 「今の私たちがターゲットにしているのは、従来のフ伝統ある女性誌が先駆者に1937年にフランスで創刊した『marie claireは、同誌初のインターナショナル版として、中央公論社(当時)から1982年に発刊。2度の版元変更を経て、2012年7月より読売新聞への折り込み型の雑誌として再刊された。現在は事業移管にともない、読売新聞東京本社から発行を続けている。日本におけるインターナショナルな女性誌としての地位を確立してきた歴史から、主なターゲットは「キャリア志向が強く、世帯年収1000万円以上の女性編集長の田居克人氏がその経緯を語る。 「読売新聞社から再刊が決まったときは、すでに女性ファッション誌の部数は低迷しており、全国的に書店数も減少していました。私は中央公論社時代の最後の編集長でしたが、もはや雑誌として販売するのは厳しいと感じていました。 一方、読売グループには中心に配布する新聞折り込み型のタブロイド誌がすでにあり、そちらは成功を収めていた。雑誌のテーマに興味があるターゲットに直接届けることができるので、広告主に対して効果も示しやすい。その方法を参考にすることで、これからの時代の雑誌のあり方を探っていけるのではないかと考えたのです」ていることから、ラグジュアリーブランドが主な広告主ということもあり、新聞富裕層をターゲットにしNE』という東京を新聞社と提携した“富裕層向けマガジン”が脚光を浴びている。ラグジュアリーブランドを中心に、広告売り上げは年々伸びていると各誌の広告担当者は口を揃える。今回は4誌に取材。それぞれターゲット、編集方針、配布の方法などが微妙に異なることがわかった。さらにはビッグデータの活用や会員ビジネスなど、今後について興味深い話も。出版社の新たな鉱脈となるか?『marie claire』文/小山田裕哉編集長※読売新聞朝刊に折り込まれる高級冊子としてリニューアル読売新聞社2012年スタート田居克人氏CASE1■marie claire■新聞販売ルートを活用した新たな鉱脈⁉富裕層向けマガジンの「今」と「これから」

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る