ジェネレーションギャップも埋める雑誌は共有型のメディア世代・トレンド評論家/立教大学大学院(MBA)客員教授牛窪恵氏私の専門はマーケティングで、普段、雑誌読者のみなさんにもインタビュー調査を行ないます。デジタル版は現在、スマホでの閲覧が主流で、多くはおひとりでご覧になっていますが、リビング等に置かれる雑誌は、やはり共有型のメディア。 『小学8年生』や『幼稚園』などは、親御さんとお子さんが一緒に読んで対話することで、一つのテーマを巡る昭和(平成)と令和の解釈の違いを互いに伝え合う、その媒介の役割もあると改めて感じました。たとえば、親世代に馴染みのある三越の包装紙。 『「Mレタリングして書き入れたのが、子世代に人気の『アンパンマン』の作者・やなせたかしさんとは知らなかった親御さんも多いのでは?また『幼稚園』に掲載された東日本電信電話の「こうしゅうでんわパウフェクトガイド!」も、親子で対話しながら読める紙媒体だからこそ、公衆電話を使ったことがない子世代と親世代が共に防災意識を高めるのに役立つでしょう。県松浦市の「アジフライの聖地 松浦」は、漁師さんの思いとリアルの食堂を結びつける橋渡し役も果たしています。経済発展につながるイノベーションは、ゼロから新規を考えることではない、すでに存在する既存値×既存値の出会いや掛け合わせによってもたらされる新結合だとする「シュンペーターのイノベーション理論」を思い出しました。itsukoshi」の筆記体を dancyu』の企画、長崎 32
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