いい広告は、動画のように頭の中で映像が流れていく!? 前年度経済産業大臣賞受賞社代表株式会社トウ・アドキユーピー大野晋太郎氏去年は、弊社・キユーピーの作品がグランプリを受賞させていただき、本当にありがとうございました。そのご縁で、今年は初めて審査に携わらせていただきましたが、才能あふれる皆さんの意見がとても参考になりました。このような審査会があることで、どのように作品が選ばれているのかが判りますし、結果、ノウハウが蓄積され、広告の質を上げていくことにもつながっていくので、たいへん有意義な会ですね。キユーピーとしましても、お客様の皆さまにご評価いただけるよう、そのブランド価値を高めていきたいと思いました。拝見していて印象深かった作品のひとつがグランプリに輝いた「三越〝華ひらく〟小8バージョン包装紙」です。見た瞬間、贈る人と贈られる人、それぞれのワクワク感が伝わってきましたし、ユニークな形をモチーフにしたデザインからもこの包装紙の中身は何だろうと楽しく想像できました。もう一つはリシュモンジャパンカルティエの「ホリデーキャンペーン」。どこまでも広がる美しい湖面の上をメゾン(家)が時計を運んで飛んでくるシーンですが、見ていると時計の針の音さえ聞こえてくるようでした。静止画なのに頭の中では動画のように映像が流れていく……。「いい広告」というのはきっとこうした作品のことを言うのかもしれません。星降るパリの夜空にリングが降りてくる別バージョンも美しく、心に残りました。36
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